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相手の心を手に取るように把握する『止観』の修行~自分を知る~

100人100通りの仏教を生かしたコーチング!

大喜多健吾です。

本日もお読み下さり有難うございます。

 

自分のほんとうの気持ちに気づいていますか?

自分自身が感情に振り回されていませんか?

 

 人間は日々、イライラしたり、怒ったり、迷ったりします。

こうした感情は一般的にはマイナスのものと捉えられがちですが、仏教では、ネガティブな感情が湧くこと自体を否定しません。

 

 ただ、「迷いは尽きないものの、なるべくそれを絶つように努力せよ」と教えます。

 そして、イライラや怒りが湧いたら、いったん立ち止まって自分の心を見つめ、

「なぜ、私は腹を立てているのか?」

「どうして、いまイヤな気持ちになっているのか?」

とその原因を考えてみることを教えています。

 

 感情を静めて、自分の心を見つめ直すことを、仏教では「止観(しかん)」といいます。「止」で心を静め、「観」で集中して、トラブルの原因やトラブルになりそうな種を点検・反省するのです。そうすれば、ざわついていた心は早く静まります。

 

 怒りの背景にある感情を見つめる

 

 Hさんは、職場で「なまはげ部長」と異名をとるほど怖い部長として知られています。四六時中、苦虫をかみつぶしたような顔をして、「泣く子はいねぇがぁ~」とばかりに、周囲ににらみを利かせています。

 当然、部下がミスをすると雷が落ちますし、プロジェクトの進行が少しでも遅れると、イライラすることも珍しくありません。いつ地雷を踏むか、ヘマをしでかさないか、と恐る恐る接してくる部下や下請業者の姿を見ると、さらに怒りが増幅します。

 

 ある日曜日、Hさんが妻とショッピングセンターに立ち寄ったときのこと。

「おもちゃを買って!」と床に寝転がって泣き叫んでいる男の子を見かけました。

 お母さんが「わがままを言っちゃダメよ」と叱っても、いつまでも泣き止みません。よく見ると、お母さんは生まれてまもない赤ちゃんを抱っこしていました。

 Hさんは思わず「しつけの悪い子だ」とつぶやきましたが、妻は「あの子はおもちゃが欲しいんじゃないの。下の子が生まれて、ママが自分をかまってくれないのが淋しいのよ。気持ちをうまく伝えられないの」と冷静に分析していました。

「素直に自分の気持ちを伝えられたらいいのにね」とも。

 

 しだいにHさんには、泣き叫ぶ男の子が会社での自分の姿のように見えてきました。

管理職としての指導能力についての不安や、周囲から慕われないことの孤独感を抱いていながら、立場上、そんな弱音を見せたくない、知られたくないばかりに、怒鳴り散らしている自分の姿のように。

 

 自分のイライラや怒りの原因を垣間見たHさんでしたが、翌週末、「最近、ストレスが溜まっているみたいだから」と心配する妻の誘いで、妻が1年前から通っている坐禅道場に同行することになりました。

「座るだけのことに何の意味がある」とまたイラッとしそうなHさんでしたが、自分の息を数える「数息観(すうそくかん)」という心身の修養鍛錬法には興味を惹かれました。足を組み、目を閉じて、朝の静謐な堂内に響く僧侶の声に従います。

 

〈鼻から息を静かに吸いながら「い~」、その息をそのまま口から吐きながら「ち」と数えてください。つまり、一呼吸で「一(い~ち)」です。同じように次の呼吸で「二(に~い)」、続けて「三(さ~ん)」と数えます。そして、百まで数えたら、また一から繰り返します。時間は線香一本分で約45分、呼吸の数は約330になります。

 静かに呼吸を続けるだけですが、次の条件だけは守ってください。
 1.数を間違えないこと
 2.雑念を交えないこと
 3.この二つの条件に反したら、「一(い~ち)」に戻ること〉

 

Hさんは、次々と浮かんでくる雑念に何度も「一」に戻りながらも、静かに呼吸を続けるうちに、気持ちがしだいに安らいでくるのを実感しました。

 

 「数息観」で心をコントロールする

 

 相手に対して怒りを感じるきっかけはいろいろあるでしょう。

 Hさんの場合なら、部下のミスやふがいない働きぶりです。しかし、ミスをしたのは故意ではないでしょうし、Hさんなら問題なくこなせる仕事も、経験不足の部下には荷が重かったのかもしれません。

 

 もちろん、仕事ですから甘えは許されませんが、

「彼はまだ駆け出しで、やり方がよくわかっていなかったからだ」

「プロジェクトの初期段階から、オレがスケジュールを管理しておけばよかったんだ」

と原因にフォーカスできれば、怒りもおさまってきます。これが「止観」です。

 

 そのために利用したいのが「数息観(すうそくかん)」です。

とはいえ、会社でイラッとするたびに坐禅を組むわけにもいきません。

 

怒りを感じたら、どこかで一人になって「い~ち」から呼吸をゆっくりと数え、意識を呼吸に集中します。呼吸に意識をずらすことで感情の高ぶりを抑え、自分の心を見直し、イライラや八つ当たりしそうな感情を静めるのです。

感情的になりがちな人は、ぜひ日々の暮らしの中に「数息観」を取り入れ、自分の心と向き合う時間をつくるようにしてみましょう。

 

徹底的に自分を知る ポジショニングセッション