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有難うの反対は当たり前~思い通りにならない現実への対処法~

食品メーカーで広報の仕事をしている入社8年目のMさんは、人材育成に興味を抱くようになり、人事部への配属を希望していましたが、なかなか実現されませんでした。

 

年に一度の上司との面談では、「自分がいかに人材育成に興味があるのか」を熱心に伝え、配属されたら努力を惜しまないことも伝えていました。しかし上司からは、「今はその部署に空きがない。空きが出たら推薦する」と言われて、これまで頑張ってきた自分の希望が通らないことに不満を感じながらも、仕方なく広報の仕事を続けながら、ポストが空くのを待つことにしました。

 

ところが、最新の人事異動で2年後輩のRさんが人事部へ異動することになりました。Rさんはとくに希望はしていなかったそうですが、その結果に、Mさんは会社や上司に対する不信や不満を強く感じざるを得ませんでした。

 

転職も考えたものの踏み切れず、気持ちを整理できないまま仕事に取り組むMさんでしたが、モチベーションは下がりっぱなし。それが無意識のうちに周囲にも伝わり、同僚や後輩と飲みに行けば会社への不平不満や上司の悪口ばかり……。

 

そんなMさんに同情する人もいたようですが、時間がたつにつれてだんだんと孤立するようになり、ある日「お前、周囲から『後ろ向きな人』と言われているぞ」と先輩から注意されてしまいました。

 

 

仏教の教えに「少欲知足」というものがあります。これは、「あまり、いろいろ欲しがらず、現在の状態で満足すること。欲望を消す必要はないが、欲張らずに、与えられた現実を素直に受け入れること」です。

 

人間は、与えられているものや状況に対して、手に入ったときは「ありがたい」と思っても、しだいに「あって当然」と考えるようになりがちです。

 

したがって、そもそも自分に与えられているものが何で、それを与えられる前はどうだったのかの位置に立ち返ることが大切です。恩知らずになってしまっている自分を反省する機会を持つことで、その後の態度や生き方に変化をつくることができるのです。

 

Mさんには、これまで会社の発展に貢献してきたという自負がありましたから、いつの間にか、「会社から与えられているものより、自分が会社に与えているもののほうが大きい」と考えるようになっていたのです。

 

そのため「当然、自分の希望を会社が聞いてくれるはずだし、上司も自分を推してくれるに違いない」と思っていたのです。ところが、なかなか思いどおりにならないことから「会社や上司から裏切られた」と、被害者意識にとらわれたのです。

 

自分は被害者であり、その責任は他人にあると考えてしまう人は、相手が自分の思いどおりに変わることに依存していて、相手が変わらない限り不幸であり続けます。自分の人生の幸不幸を他人に委ねる不自由な生き方を、知らず知らずのうちに選択しているのです。

 

 

では、自分の期待どおりにならなかったことに対し、「自分にとって必要な意味があるのかもしれない」「この出来事から学ぶことは何なのか」と考えるとどうなるでしょう?

 

 

自分を積極的に変化・向上・成長させていくことにつながるので、自分の人生をよい方向へ舵取りできる可能性が高まります。

 

Mさんの場合も、例えば「私には知識や経験が不足している。それをもっと深めろということなのだ」「今の部署から私が抜けると、会社全体のバランスが崩れてしまう。

 

後任を育成することが私の課題なのだ」などと考えることが必要です。新たな目標を設定することで、ポジティブに仕事に向かうことができます。それが会社や上司に伝わり、結果的にMさんの希望実現を後押しすることにもつながるはずです。

 

不満を感じたり、自分が望まない出来事が起こったときには、他人や環境に責任転嫁してはいけません。責任転嫁しそうになったら、仕事には仲間が必要なこと、新人の頃に自分を育ててくれた先輩や上司がいたこと、働きやすい職場環境があることなど、「与えられている」ものに意識を向けましょう。合わせて、意に沿わぬ出来事からでさえも「教えを受ける」という心がけを忘れないようにしましょう。

 

試しに、朝いつもより早く出社して、誰もいない職場で「自分が会社に与えたこと」を紙に書き出し、裏には「自分が会社に与えられたこと」を書いてみてください。意外に「会社から与えられたこと」の多さに気づくと思います。

 

もしくは、「あの人のせいで苦しい」と不満を抱いたり、被害者になっている自分に気づいたら、「あの人」の立場を理解しようと試みてください。不満の矛先である相手も、まるで鏡のように自分に不満を抱いているケースがあります。不満をぶつけ合っていても人間関係が好転することはありません。相手が不満を解消してくれるのを待っているのも、相手次第の人生になってしまうので不自由です。

 

ですから、自分が不満を抱いている相手の立場に立ち、「相手が自分にどんなことを期待していて、その中で自分が応えられていないことは何だろうか?」と考え、改善すべきことが見つかったらすぐに実践してみましょう。相手を否定する姿勢ではなく、相手から学ぶ姿勢にもつながると思います。

 

「教えを受ける心」を忘れないためのひとつの方法です