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今まで語ってこなかった仏教コーチング

私は現在、仏教の教えをもとにしたコーチングを仕事にしています。

「仏教」と聞いて皆さんの頭に浮かぶのは、南無阿弥陀仏や南無妙法蓮華経、般若心経などの経、あるいは葬儀のイメージだったりするのではないでしょうか。かつての私も、じつはそう思っていました。

 

しかし、いざ仏教を学んでみると、その教えの中には、ビジネスパーソンにとっての仕事や人生に当てはまる実践的な教えがたくさんあることに驚かされました。

 

 

例えば「縁起」です。

 

仏教における真理を表す根本思想「因縁生起」の略で、「一切の現象的事物は固定的な実体を持たず、さまざまな原因(因)や条件(縁)が寄り集まって成立している」という教えです。

簡単にいえば、「物事には必ず原因があって結果がある」というもので、ビジネス書でおなじみの〝原因と結果の法則〟といってもよいでしょう。

 

つまり、現在の自分の境遇に不満を感じているとするなら、「その結果を招いたのは、過去に自分が悪い種を蒔いたからだ」という考え方です。もちろん、善の種を蒔けば善の結果が生まれます。これが仏教でいう「縁起」です。

 

また、天台宗の基本的な教理のひとつに「一念三千」という教えがあります。

 

一念とは「あることを思念する一瞬」のことであり、三千とは「宇宙の一切の現象」を意味します。つまり、「人は日々の暮らしの中で一瞬ごとに微かな心の動揺や迷いを起こすが、その心の動きの中に三千の数で表される現象が実在している」ということです。大変難しいのですが、「私たちのちょっとした思念の中にも、宇宙の森羅万象が反映されている」という意味に解釈できます。

 

例えば、目の前にとても怒っている人がいるとします。これも三千の現象のうちのひとつです。となると、その怒りは自分の心の投影かもしれず、それを「自分の心の発露」と理解してみると、自分の心を制御するきっかけになります。つまり、目の前の人の怒りに怒りで返すのではなく、もう少し違った対応をすれば人間関係を損ねることもなくなるはずです。

 

これも、ビジネス書にある、いわゆる〝鏡の法則〟に近いと思います。鏡の法則とは、「私たちに現実に起こることは私たちの心を映し出す鏡である」というもの。つまり「自分に起こる問題の原因は、すべて自分自身にある」という考え方です。

 

仏教を学び始めた当初は、恥ずかしながら「漢字ばかりで難しそうだ」というのが本音でした。実際に難解な本も多いのですが、入門書から始めて、やがて難解な専門書や仏教経典などにも手を広げていきました。

そうして学んでいく中で、私の心にとくに響いた二つの言葉があります。

 

 

ひとつは、「いかなる壁も、自分に乗り越えられるものしか与えられない」という言葉です。

言い換えれば、「その壁は、あなたの修行に必要なものとして現れている」のであって、「その壁を乗り越え、悟りを深めていくために必要なものは、あなたはすでに手にしている」ということ。したがって、すでに与えられているものをしっかり活用していけば修行は進んでいく、という意味になります。

 

私も、大学院を修了して勤めた会社で多忙のあまりノイローゼになりかかったとき、起業を模索していたとき、家庭がうまくいかなくなったとき、起業したものの思いどおりにいかなかったとき……、目の前の壁を乗り越える術は何も持っていないと思い込んでいました。そのため、どれだけお金を使ってもいいから、自分にないノウハウを得ようともがいていました。仏教の教えとは真逆です。

 

ところが、この言葉を知り、すでに自分が手にしていることから実践してみたところ、ものすごい変化が起きて現実が動き始めたという体験をしました。

 

 

もうひとつは、花園大学の佐々木閑先生が、講演や著書などで述べておられる、「仏教は祈りの宗教ではない。仏教は自助努力の宗教である」という言葉です。つまりブッダは、「人間は努力することによって、自己の心を変え、苦しみから逃れることができる」と説いているのです。こうした「自分でやれることはちゃんとやる。行動できることは行動する」点も、現実的で実践的だと感じたのです。

 

私は、クライアントのメンタルだけを変えて気づきを与えるだけではなく、その気づきを通してその人自身がどう行動していくのか、どのように生活スタイルをシフトさせていくのか、が大事だと思っています。そういう私の目指すコーチングと仏教とは非常に相性がよく、これを私自身も含めてクライアントが活用していくようになれば、人生や仕事がより豊かになっていくと思ったのです。

 

 

さらに、仏教とコーチングの相性のよさを感じたのは、ブッダが行っていた「対機説法」なるものを知ったときです。

 

これは、ブッダが民衆に教えを説くときに相手の「機根(仏教に触れて活動し始める一種の潜在的能力・精神的素質)」に応じて、それぞれにふさわしい方法で説法することをいいます。簡単にいえば、悩みを訴える人の、知識や経験、職業、年齢、あるいは悟りの深さといった状況に応じて、説法の内容を変えるというものです。ときに方便を使い、ときに事例を挙げながら、個々人に合わせて苦しみや悩みを解決する道筋を説いたのでしょう。

 

これを知って、「ブッダの対機説法はコーチングと同じだ!」と直感しました。相手の状況に応じてコーチング(=説法)の内容を変えればいい、ということです。

 

例えば、私が講演会に参加して、「あぁ、いい話を聞いたなぁ」くらいの受け止め方では、なかなか実際に行動するまでには至らないと思います。自分の中で「あっ、そうだったのか!」という気づきがあって初めて動きたくなるはずです。

 

おそらくブッダは、相手に気づかせることがうまかったのだと思います。単純に「それはこうです」「あれはこうです」と教えるのではなく、「そうか! だから私はこんなに不幸だったのか」と気づかせることで、その人が自らを変えることができるように導いたのではないでしょうか。

 

また、菩提心(悟り)を得ようと志しては挫折を繰り返す人に、ブッダは決して「お前はダメだ」とは言いませんでした。たとえ10回失敗していても11回目には成就して仏道に入れるかもしれないからです。いくら失敗しようが、何度でもそこから学び直して実践を繰り返す。これもコーチングの考え方にすごく近いと思います。

 

コーチングでも、いろいろやってもうまくいかないときは、卑屈になったり周りに責任転嫁したりせず、もう一度目標を立て、実践する。そういうプロセスを踏んでいくことで、初めて気づきを得ることができます。こういう考え方が、仏教との相性がいいと、私は思っているのです。

 

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